化粧品は女性にとって、(今では性別に関係なく)いくつになっても、最も重要な「必需品」です。
必需品であれば、通常は中身重視となり、そのパッケージは簡素なものが好まれます。
しかし、化粧品の場合はそうではありません。化粧品は衣服と同じようなタイプの必需品といえます。
素肌は自身の内面を包み込むとともに外界とのインターフェイスでもあり、他人から見ればあなたそのものです。
つまり、人はお気に入りの化粧品で素肌を整えて、メークアップを施すことで、衣服や小物と同じように、自分のアイデンティティを重ね合わせながら、他人に自分自身を認めてもらうことが必要なのです。
当たり前のことですが、化粧品を容器から出してしまえば、どんな高価なクリームも美容液も、安価で粗雑なそれらと見た目の区別はつきません。だから、パッケージデザインが必要となるのです。
人に物を贈る時に、みすぼらしい使用済みの箱に入れて贈ることができますか?
良いパッケージデザインは、中身の価値を保証します。
自分のお気に入りの洋服を着て出掛けるように、お気に入りのパッケージに入った化粧品を纏って出かけるのです。
洋服は脱いだら終わりですが、化粧品、特にスキンケアは毎日使い続けることで、自分をもっとキレイにしてくれることもあります。
自分の中にあるキレイを引き出してくれるのです。
こんな未来への夢を与えてくれる化粧品を人は毎日必要としています。
「夢を纏った必需品」。
化粧品のパッケージが最も重要である理由がここにあります。